色彩心理学の研究からわかる、色が人間に与える影響とは?
こんな方におすすめの記事です!
- 色彩心理学を学びたい
- 色彩心理学に関する研究を知りたい
- 色彩理学の研究からわかることとは?
色は、私たちの生活に欠かせない要素であり、様々な場面で使用されています。
しかし、色にはそれぞれ異なる特性があり、私たちの心理や行動に影響を与えることが多々あります。
本サイトのコンセプトは「モテる科学」です。
恋愛初心者から上級者まで幅広く対象に「モテるための科学」をわかりやすく解説しています。
今回は、『色彩心理学』について解説いたします。
ぜひ最後まで読んで参考にしてください!
色彩心理学の研究からわかること
色彩心理学の研究により、人々が色に対してどのような反応を示すか、またそれがどのように行動や思考に影響を与えるかが明らかにされています。
色彩心理学の研究からは、以下のようなことがわかります。
1.色は人々の感情に影響を与える
人々は色に対して特定の感情を抱く傾向があり、特定の色は特定の感情や行動を引き起こすことがあります。
例えば、赤色は情熱的で刺激的な感情を引き起こすことがあり、青色は安定感や信頼感を与えることが知られています。
2.文化や背景によって色の意味は異なる
特定の色に対する意味や感情は、文化や個人の背景によって異なります。
例えば、白色は西洋では純粋さや清潔さを象徴しますが、東洋では喪に関する色とされています。
3.色は行動に影響を与える
特定の色は人々の行動に影響を与えることがあります。
例えば、赤色は競技の試合で勝率を高めるとされ、黒色は暴力的な行動を引き起こしやすいとされています。
4.色彩は健康に影響を与える
色は人々の身体的な健康にも影響を与えることがあります。
例えば、青色はリラックス効果があるとされ、赤色は血圧を上昇させることが報告されています。
以上のように、色彩心理学の研究は、人々が色に対して抱く感情や行動についての理解を深めることができます。
また、広告やマーケティング、デザインなどの分野で、より効果的なメッセージ伝達やプロダクト開発に役立つ情報を提供することができます。
色の効果に関する研究
色彩心理学の研究では、色が人々の心理や行動にどのような影響を与えるかを調べています。
具体的には、以下のような効果が報告されています。
1.感情の影響
色は感情を引き起こすことができます。例えば、赤は情熱的な感情や興奮を引き起こすとされています。
また、青は安らぎや平穏な感情を引き起こすとされています。
2.認知の影響
色は認知に影響を与えることができます。例えば、黒は厳粛さや権威を表し、白は純粋さや無垢を表します。
また、色は注意を引くために使われることがあります。
3.行動の影響
色は行動に影響を与えることができます。例えば、赤は興奮を引き起こし、行動の促進につながることがあります。
また、青は鎮静効果があるため、集中力を高めることができます。
4.説得力の影響
色は説得力にも影響を与えます。例えば、黄色は注意を引くことができ、信頼感を与えることがあります。
また、緑は安心感や信頼感を表すため、企業のロゴや広告に使用されることがあります。
これらの効果は、文化や社会的背景によっても異なる場合がありますが、色彩心理学の研究は、色が人々の心理や行動にどのような影響を与えるかを理解する上で重要な役割を果たしています。
女性を魅力的に見せる「ロマンティックレッド」に関する研究
2008年「ロマンティックレッド」という心理学的現象が発見されました。
女性が赤い服を着ると男性から魅力的に見えるという現象です。
「ロマンティックレッド」に関する研究を2つご紹介いたします。
エリオットと二エスタの「赤色は女性の魅力を高める」という研究
2008年エリオットと二エスタが書いた「ロマンティックレッド」という論文が
「パーソナリティと社会心理学雑誌」に発表されました。
彼らは、男性に女性の写真を見せて、その「魅力度」を9段階で評価してもらうという実験を行いました。
女性の写真は上半身のみで、背景を赤と白に分けて実験参加者に呈示されました。
研究の結果、以下のことがわかりました。
- 白色よりも赤色のほうがもっとも魅力を高める
- 白の代わりにグレーや青、緑の場合でも同じ結果
- 女性が女性を評価する場合には効果は現れない
この研究結果は、赤い色が女性の魅力を高める効果があることを示しています。
この理論は、ファッション業界やマーケティング業界でも取り入れられ、赤い衣服や赤い口紅などが女性の魅力を高めるための一つの手段として広く認知されています。
カイザーらの「男性は赤い服を着た女性と親密になりたくなる」という研究
この研究は、2008年に発表されたエリオットとニエスタの研究と同様に、赤い色が人々の行動や感情に与える影響について探求した研究です。
ファッションでモテるのかという観点から見ると、エリオットらの実験には不十分な点があります。
赤い背景ではなく、女性が赤い服を着て実験してほしいということです。
そこで、2010年カイザーらは赤色の服を着た女性で新しい実験を行いました。
研究の結果、以下のことがわかりました。
- 赤い服を着ている女性には、男性は他の色の女性よりもなれなれしい質問をする
(つまり赤い服の女性に男性は積極的に近づくということ)
男性は赤い衣服を着た女性に対して、より親密になりたいという欲求を感じる傾向があるということです。
また、この欲求は男性が自覚するものではなく、無意識のうちに発生することがわかっています。
カイザーらの研究結果は、エリオットとニエスタの研究と同様に、赤い色が人々の感情や行動に与える影響について重要な示唆を与えています。
しかし、この研究には批判的な意見もあり、性別や文化的背景によって結果が異なる可能性があることなどが指摘されています。
ゲーゲンの「赤い口紅をつけると女性はモテる」という研究
2012年ゲーゲンは、赤・ピンク・ブラウンあるいは口紅をつけていない女性をフランスにある4つバーに送り込みました。
研究の結果、以下のことがわかりました。
- 赤い口紅をつけている女性には、もっとも多くの男性が声を掛けました
ゲーゲンの研究は、赤い口紅が女性の魅力を高める効果があることを示し、ファッション業界や美容業界に大きな影響を与えました。
また、この研究は、エリオットとニエスタの研究やカイザーらの研究と共に、色が人々の感情や行動に与える影響に関する重要な研究の一つとして、広く認知されています。
リンの「赤いノートパソコンを持つだけで女性は魅力的になる」という研究
リンの研究は、色が人々の感情や行動に与える影響について探求したもので、色と人間の心理に関する重要な研究の一つです。
女性に赤いノートパソコンを持たせた写真と、同じ女性に青いノートパソコンを持たせた写真を男性に見せ、どちらが魅力的かを調べました。
研究の結果、以下のことがわかりました。
- 男性は赤いノートパソコンを持った女性だけ魅力度が高い
- セックスアピール定評についても同じ結果が現れた
リンの研究は、色が人々の感情や行動に与える影響についての理解を深めることに貢献し、色彩の力を用いたマーケティング戦略などにも影響を与えています。
しかし、この研究には批判的な意見もあり、性別や文化的背景によって結果が異なる可能性があることなどが指摘されています。
エリオットと二エスタの「赤色は男性の性的魅力度を高める 」という研究
赤色は女性を魅力的に見せるという「ロマンティックレッド」の研究をご紹介しましたが、彼らは男性向けの研究も行っていました。
エリオットらは、アメリカやイギリス、ドイツなどの女子大生を対象に赤色が男性の魅力を高めるかについての実験を行いました。
【研究内容】
赤と白の枠をつけた男性の写真やシャツの色を赤と青に変えた男性の写真を女子大生に見せて評価させました。
【結果】
- 赤枠と赤シャツの男性に対して、魅力度や性的魅力を高く評価
- 赤の効果は魅力度に対してのみ効果を発揮し,知性や親切さといった項目には影響を及ぼさない
- 評価者が男性の場合は、色によって評価の違いは得られなかった
つまり、赤い服を着ることで魅力度が上がるのは異性に対してのみで、同性から評価される場合には効果をもたないことが確認できます。
赤色を男性が身につけると、女性にセクシーさを感じさせモテるということです。
Hill and Barton博士の「赤色は試合の勝率を上げる」という研究
2005年5月「Nature」誌に掲載された科学論文では、色が人間の心理に与える影響を明確に伝えています。
ダーラム大学の進化人類学者Hill博士の「赤色は試合の勝率を上げる」という論文です。
【研究内容】
Hill博士は2004年アテネオリンピックにおいて、格闘技4種に関して各選手すべての試合結果を調べました。
格闘技4種には、ボクシング、テコンドー、グレコローマンスタイル・レスリング、フリースタイル・レスリングがあります。
【結果】
- 赤のグローブ・防具・ユニフォームを身につけた選手は、青のものを身につけた選手よりも勝率が有意に高かった
- 赤の平均勝率は、青よりも10%も高い
- 競技者の実力が拮抗しているほど生じやすい
赤色の心理は燃えるような情熱を意味し、青色は憂鬱な気分になる傾向があると考えられます。
また、Hill博士は赤色が相手を無意識のうちに威嚇し、優位に立ちやすい状況を作るのではないかとも推測しています。
色彩が人間の行動や心理に影響を及ぼすということが、この論文からもわかります。
N.ハーゲマンらの「赤色は試合でも有利になりやすい」という研究
Hill and Barton博士の研究と同様に、赤色がスポーツにおいて有利に働く可能性があることを示しています。
【研究内容】
彼らは、テコンドーのベテラン審判42人に対し、男性選手の試合の動画を見せ、採点してもらいました。
【結果】
赤色の選手が優勢であるという傾向が出ました。これは予想通りの結果です。
次に彼らは先ほどの動画に画像処理を行い、ユニフォームと防具の色を赤から青に青から赤に色のみを変えました。
以下の結果になりました。
- 青色から赤色に変わった選手の採点が先ほどよりも良くなった
- 赤色から青色い変わった選手の採点は悪くなった
N.ハーゲマンらの研究では、赤色が相手チームの認知を干渉し、自己自身の力量を強調することができるため、有利に働く可能性があることが指摘されています。
フランクとギロビッチの「黒は暴力的に見える」という研究
【研究内容】
彼らは、アメリカのプロフットボールとアイスホッケーのチームのユニフォームの色と、選手達が過去15年間に受けたペナルティの数について研究しました。
【結果】
- ユニフォームが黒色のチームは、他の色のチームよりもペナルティを多く受ける傾向
黒色が暴力的な印象を与えることから来ている可能性があります。
つまり、黒色を着た選手がより攻撃的で、反則を犯しやすいという先入観があるためだと思われます。
まとめ
今回のまとめです
- 赤色は女性の魅力度を高め、男性の性的魅力度も高める効果がある。
- 赤色は試合でも有利になりやすく勝率を上げる効果もある。
- 黒色は攻撃的なイメージがあるため試合ではペナルティが多くなりやすい。
色彩心理学の研究では、色彩が人間の行動や心理に影響を及ぼすことがわかります。
今回の記事では、
- 色彩心理学の研究からわかること
- 色の効果に関する研究
- 女性を魅力的に見せる「ロマンティックレッド」に関する研究
- ゲーゲンの「赤い口紅をつけると女性はモテる」という研究
- リンの「赤いノートパソコンを持つだけで女性は魅力的になる」という研究
- エリオットと二エスタの「赤色は男性の性的魅力度を高める 」という研究
- Hill and Barton博士の「赤色は試合の勝率を上げる」という研究
- N.ハーゲマンらの「赤色は試合でも有利になりやすい」という研究
- フランクとギロビッチの「黒は暴力的に見える」という研究
について解説いたしました。
いかがでしたでしょうか。
色彩心理学について詳しく知りたい方は、色彩心理学まとめの記事を参考にしてください!